ふるさと納税と聞くと「確定申告が必要なんでしょ?」という言葉が出てきませんか?
確かに、以前は確定申告が必須でした。
しかし。
利便性を強化するため、確定申告が不要になる条件が整えられたことを知っていますでしょうか。
こちらの記事では、ふるさと納税しても確定申告しなくてもよい条件についてご紹介していきます。
確定申告とは
年末年始になると聞こえてくる「確定申告」という言葉。
耳にしたことはあっても、その手続きや制度自体をはっきり理解している人は少ないのではないでしょうか?
確定申告とは、個人事業主に代表されるように、主に「給料というかたちでお金をもらっていない人」が対象となる税金申告の手続きのことです。
サラリーマンであっても、駐車場経営やマンション経営のような不労所得、ネット副業など副収入を得ているなど、会社からの給料というかたち以外でお金を得ている場合は、申告の対象になります。
所得、というのはそもそも、稼いだお金(収入)から必要経費を差し引いた金額をさします。
その所得にかかってくる税金の額を計算して、税金を納めることが「確定申告」の正体です。
1年間の収入が決定してから手続きを行うため、申告の時期は翌年の2月~3月になります。
毎年この時期になると、「確定申告した?」なんて話が聞こえてくるのは、このためです。
また、確定申告をきちんとすることによって、還付金として重複して納めていた税金が返納されることもあります。
きちんと計算すれば、節税にもなり得るのが確定申告なのです。
逆に、確定申告をしないでいる、もしくは適当な金額でごまかすと、きちんと税金を納めていない、つまり脱税をしていると見なされてしまいます。
税務署は収入と納税額の調査をしっかり行っているので、脱税が発覚すれば「加算税」や「延滞税」など、ペナルティとして余計な税金がかかってきてしまう場合があるのです。
ふるさと納税と確定申告の基礎知識
それでは、ふるさと納税と確定申告はどのように関連するのでしょうか。
まずは、ふるさと納税を納めている方の中で、確定申告の必要があるのはどのような方なのかを見ていきましょう。
確定申告の対象になる条件は以下の4つが挙げられます。
- ふるさと納税などとは関係なく、確定申告をする必要がある方
- ふるさと納税以外で、税金の還付・控除を受ける方
- 1年間で6団体以上にふるさと納税を納めた方
- 「ワンストップ特例制度」を申請しなかった方
上記4つのどれかにご自身が当てはまる場合は、必ず確定申告を行なってください。
確定申告に慣れていないと、自分で税金の手続きをしなくてはいけないので面倒に思うかもしれません。
しかし、ふるさと納税に関する確定申告の手続きは意外とシンプルなものです。
用意するものは、4点です。
- 寄付したさいに地自体からもらう「寄付金受領証明書」
- 勤務先からもらう「源泉徴収票」
- マイナンバー
- 印鑑
それらを用意し、全国の税務署のどこにでも用意してある申請書類に記入をすれば完了です。
仕事が忙しくて税務署に行けない方は、国税庁のホームページから申請することが可能です。
毎年2月中旬~3月中旬までなので、期限にだけ注意して、確定申告をサクッと終わらせてしまいましょう。
確定申告が不要な条件
2015年までは、ふるさと納税も通常の税金の還付金や控除と同じカテゴリでしたので、確定申告は絶対に必要なものとされていました。
しかし。
それではもともと確定申告の必要がないサラリーマンやOLさんにとってはハードルが高すぎるという声がありました。
そこで、ふるさと納税に関しては、ワンストップ特例制度というシステムが新たに作られ、ある一定の条件をクリアすれば、確定申告が必要ではなくなったのです。
具体的な条件としては、
- 平成27年1月~3月末日にふるさと納税をしていない
- ふるさと納税を行ったのが平成27年4月1日以降
- 他の条件で確定申告の必要がないこと
- ふるさと納税を納めている先の自治体が5つ以下であること
以上の4つです。
上2つの条件は平成27年中の控除についての条件なので、現在は「他に確定申告が必要ではない」「ふるさと納税の寄付先が5つ以下」の2点を覚えておけばよいでしょう。
確定申告の代わりに、寄付先の自治体に「ワンストップ特例制度申請書」を提出すると、還付金や税金控除といった優遇が受けられます。
確定申告よりも申請の手続きが簡単なので、ふるさと納税のみを納めている場合には、大いに利用したい制度ではないでしょうか。
まとめ
確定申告、と聞くと、馴染みのない方には、「大変そう」というイメージがあるでしょう。
ふるさと納税に興味はあっても、還付金や控除を受けるためには面倒くさくて慣れない手続きが必要なんじゃないかなと思うと、尻込みしてしまうものです。
でも、ふるさと納税は、確定申告をしなくても、「ワンストップ特例制度申請書」という制度を利用すれば、簡単に還付金や税金控除が受けられます。
また、苦手意識を持たれる方が多い確定申告も、意外と簡単です。
ふるさと納税を納めた際は、自分のライフスタイルに合わせて、税金控除の申請をしてみてください。
やってみればカンタンな手続きで、おトクに税金の負担を軽くできます。
